菊川研究室 (素粒子論、場の量子論) |
1) 格子ゲージ理論におけるカイラル対称性
近年,Ginsparg-Wilson関係式を満足する,ゲージ共変で局所的な格子Dirac演算子が構成され,格子上で厳密なカイラル対称性
を実現することが可能になった。 Ginsparg-Wilson関係式に基づくカイラル対称性を,格子QCDの数値的解析に応用する研究を行っている.
2) 格子ゲージ理論による,カイラルゲージ理論の非摂動的な構成
素粒子の標準模型やGeorgi-Glashow SU(5) モデルに代表される非可換群カイラルゲージ理論では、フェルミオン数(バリオン数)の生成,ゲージ対称性の力学的破れ,複合masslessフェルミオンの出現などの力学的可能性が指摘されている。Ginsparg-Wilson関係式に基づく格子ゲージ理論の枠組みで,カイラルゲージ理論を構成的に定義し,その力学的性質を明らかにすることを目的として,研究を行っている.
3) 格子カイラルゲージ理論を用いた,バリオン数生成過程の解析
Ginsparg-Wilson関係式に基づく格子カイラルゲージ理論の定式化によれば,
電弱相互作用を記述するGlashow-Weinberg-Salam理論をゲージ不変に定式化することが
可能である。この枠組みを用いて,バリオン数生成過程に関する基礎的な研究を行っている.
4)その他