菊川研究室

(素粒子論、場の量子論)

研究室 16号館 325A号室

教官  菊川  芳夫 (6544)

私たち駒場素粒子論研究室では、院生の指導については集団指導体制をとっています。
従って、形式上は各院生に指導教官が割り振られていますが、院生は指導教官である
か否かに無関係にどの教官からも積極的に助言を受けたり議論をすることを奨励して
います。このホームページには、このことを明確にするため、形式上の所属院生の
名前は載せてありません。

素粒子論研究室の院生を含めたメンバーに関しては、

 駒場素粒子論グループのホームページ 

を参照してください。


研究概要

素粒子の標準模型では,すべての素粒子は質量ゼロの場によって記述される.すなわち,ゲージ場はゲージ対称性によって, 物質場(フェルミオン)はカイラル対称性によって,質量項が禁じられている.素粒子の質量は,これらの対称性が自発的に 破れることにより有効的に生じる(ヒッグス機構).質量の生成機構の解明を目指して,カイラルゲージ対称性とその実現に関する 基礎的な研究を行っている.

1) 格子ゲージ理論におけるカイラル対称性
近年,Ginsparg-Wilson関係式を満足する,ゲージ共変で局所的な格子Dirac演算子が構成され,格子上で厳密なカイラル対称性 を実現することが可能になった。 Ginsparg-Wilson関係式に基づくカイラル対称性を,格子QCDの数値的解析に応用する研究を行っている.

2) 格子ゲージ理論による,カイラルゲージ理論の非摂動的な構成
素粒子の標準模型やGeorgi-Glashow SU(5) モデルに代表される非可換群カイラルゲージ理論では、フェルミオン数(バリオン数)の生成,ゲージ対称性の力学的破れ,複合masslessフェルミオンの出現などの力学的可能性が指摘されている。Ginsparg-Wilson関係式に基づく格子ゲージ理論の枠組みで,カイラルゲージ理論を構成的に定義し,その力学的性質を明らかにすることを目的として,研究を行っている.

3) 格子カイラルゲージ理論を用いた,バリオン数生成過程の解析
Ginsparg-Wilson関係式に基づく格子カイラルゲージ理論の定式化によれば, 電弱相互作用を記述するGlashow-Weinberg-Salam理論をゲージ不変に定式化することが 可能である。この枠組みを用いて,バリオン数生成過程に関する基礎的な研究を行っている.

4)その他



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