業績: 風間・鈴木模型の提唱


        

受賞理由

「超弦模型は、重力を含む全ての相互作用を統ーする理論の有力な候補である。しかし、摂動論による超弦理論は時空が10次元の場合のみ構成することができ、したがって、余分な6次元をコンパクト化する必要がある。この問題に一石を投じたのが、風間-鈴木模型である。この模型は、4次元でN=1時空超対称性を有するコンパクト化模型にとって重要な、世界面上の N=2超共形代数の構成に関し Coset 空間を用いた一般的方法論を与え、商空間が N=2 の超共形不変性を持つのは、商空間がエルミート対称空間と呼ばれる一群の空間であることを示した。また、この方法で一連の可解な N=2超共形場理論の構成に成功した。本業績は超弦理論のコンパクト化に関して標準的な模型を確立したものとして極めて高い評価を得ており、超弦理論における、古典的業績としてのゆるぎない地位を確立している。日本の超弦理論研究の大きな成果と認められる。」

参考文献:

Y. Kazama and H. Suzuki,
NEW N=2 SUPERCONFORMAL FIELD THEORIES AND SUPERSTRING
COMPACTIFICATION,
Nucl.Phys. B321 (1989) 232.